埼玉県さいたま市岩槻区の人形のまちでまちかど雛めぐり開催中
埼玉県さいたま市岩槻区は人形生産で知られる地域で、きょうも街全体でひな祭りの飾り付けが行われている。岩槻区は江戸時代から人形作りが盛んで、現在も約30の工房が伝統技法を守りながら雛人形や市松人形を製作している。毎年3月上旬に開催されるまちかど雛めぐりは、区内の民家、商店、寺社などで約100カ所の展示が見られる。
展示は本町通りを中心に広がり、河合人形工房では5段飾りの古典的な雛人形が並ぶ。河合家は創業200年以上の老舗で、木型彫りから衣装縫製まで職人が手がけ、1体あたり数万円から数十万円の価格で販売される。きょうは家族連れが工房を訪れ、職人が人形の頭部を桐の木で削る様子を間近で見学した。
近隣の八木博物館では、明治期の古い雛人形を30体展示し、時代ごとの衣装の変化を説明するパネルが置かれている。博物館は入場無料で、午前10時から午後4時まで開館。地元住民は自家用車で訪れ、散策マップを手に各所を回る。
本町通りの商店街では、雛人形店が軒先に現代風の創作雛を飾り、1,000円程度の小物を販売。通りを歩く高齢者が懐かしい人形に触れ、昔の記憶を語り合う様子が見られた。イベントは3月8日まで続き、スタンプラリーで集めた印で地元商品の抽選がある。
岩槻駅から徒歩5分の中心部では、観光案内所が雛めぐりマップを配布し、約5,000人が訪れる見込み。区は人形産業を支えるため、毎年このイベントを開催し、後継者育成の講習会も並行して行う。地元小学校の子どもたちが手作り雛を展示するコーナーもあり、地域全体で伝統を伝えている。
人形のまちは平帯東通り沿いにも広がり、10軒以上の工房がオープン。1軒では木目込み雛の製作実演があり、職人が布を木製型に押し込む工程を披露した。この技法は岩槻独自のもので、1体作るのに2日かかる。訪れた人は実演を見て、購入を検討する。
イベント期間中は駐車場を5カ所確保し、1日200台分を提供。岩槻警察署が交通整理に協力し、混雑を避けている。地元商工会は参加店舗で雛菓子を販売し、1個300円の菱餅が人気だ。雛めぐりは人形文化の普及を目的に1990年代から始まり、毎年規模を拡大している。
きょうの天候に恵まれ、多くの人が自転車や徒歩で移動。区役所前では特別展示があり、皇室献上の人形レプリカが公開された。岩槻の人形は耐久性が高く、代々受け継がれるものが多く、1家族に1組所有する習慣がある。