山形県上山市の陶器店で土の塊をこねる作業が続く
朝の光が陶器店の窓から差し込む。床に置かれた粘土の塊がゆっくりと手で押される。店主が腰を落とし、両手で粘土を回す。粘土の表面が光を受けてわずかに光る。土の粒子が指の間に挟まり、細かな摩擦音が店内に響く。
店は上山市の中心部にある。国道沿いの小さな一軒家だ。店頭に「陶土販売」と書かれた看板が掛けられている。看板は木製で、文字は手書きだ。店内にはろくろが一台置かれ、棚には未焼成の器が並ぶ。器はまだ素焼き状態で、色は灰色だ。
店主は粘土をこねる作業を毎日繰り返す。作業は朝7時から始まる。粘土を水で湿らせ、指で押しながら空気を抜く。空気が抜けた粘土は均一な密度になる。店主は作業中に時折手を止め、粘土の硬さを確認する。指で押した跡が残るかどうかで判断する。
粘土の量は1回に5キログラム程度だ。粘土は山形県内の陶土業者から仕入れる。仕入れた粘土は店内でさらに水を加えて調整する。調整した粘土は翌日の作業に備えてビニール袋に入れられる。袋は空気が入らないよう密封される。
店主は作業を続けながら、ろくろの速度を調整する。ろくろは電動式で、足踏みスイッチで回転数を変える。回転数は1分間に60回転から80回転の間で調整される。店主は器の形を整える際に回転数を下げる。低い回転数で指を当てて形を整える。
店内には換気扇が設置されている。換気扇は作業中に常に回っている。換気扇の音は低く、粘土の摩擦音と混ざる。換気扇の風は店内の湿気を外に排出する。湿気が排出されることで、粘土が乾燥しすぎるのを防ぐ。
店主は作業を終えると粘土を棚に並べる。棚は木製で、粘土の塊が5つ並ぶ。並べた粘土は翌朝までそのまま置かれる。店主は作業後に手を洗い、店を片付ける。片付けは10分程度で終わる。
店主は粘土をこねる作業を20年以上続けている。作業の工程は変わらない。変わらない工程の中で、店主は粘土の状態を観察し続ける。観察した結果を次の作業に反映させる。作業は淡々と繰り返される。